「ま、とにかくさ。その時に、加瀬くんの足手まといになりたくないの」
「足手まとい??」
首を傾けてぽっかーんてする加瀬くんに私は頷いた。
「もしも今、私が恋を優先してC大を諦めてさ? 加瀬くんにぶら下がるみたいにして私立を選んじゃったら、いつかそれが加瀬くんの重荷になる日がくるかもしれない」

自分のやりたいことを諦めて男を選んでついてゆき、だけど結局その男に捨てられる・・って状況に陥った時。
私は自分の決断を後悔せずにいられるだろうか。

加瀬くんだってそう。
優しい人だもの。きっと苦しむことになるはずだ。
私への罪の意識と、新しい恋との板挟みになって。

「でもさ、私がC大に行ってる未来を想像してみてよ。たぶん何があっても加瀬くんは自由でいられるハズだよ」

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