というわけで、今日は加瀬くんが私の腕の中にいた。
「遠恋になったらこれよりもっとヒドイのが4年も続くんだよなあ・・」
珍しく、加瀬くんの声が弱々しい。
「月に何回会えんのかな」
「どーだろう。わかんない・・」
胸をえぐられる。
ホントは怖くてたまらない。
こんなふうに近くにいるのが当たり前だったのが、突然バラバラになるんだから。

私の顔をじーって観察していた加瀬くんが、私の頬にぴたりと手をあてた。
「こんな顔するほどなら私立でよくない? オレ、一緒にいたい。私立じゃダメなの?」
「・・ウン」
加瀬くんが悲しそうに私をみつめる。
なんで、って。

「・・行きたい学科が私立にないの」
「学科がない?? オマエ何の学科受けたいの?」

「ええっとーーー」

どーせいつまでも曖昧になんかしておけない。
ちょっとだけ視線を泳がせて言い淀んだ後、私は初めて自分の希望を彼に伝えた。

「哲学科」って。