「オマエさ、A大かB大受けれる?」
って聞いてみたら、小宮山が目を丸くして首を横にふる。
「そんなワケないでしょ。イヤミ!?」
「そーじゃねえよ。じゃあどこ受けるんだよ」
「目標はC大」

やっぱり。オレらが県またぐのは確実だ。

「じゃあオレら、離れ離れじゃん・・」
小宮山が無言でうつむく。
「私立じゃダメなの?」
「ウン」
「なんで? 金かかるから?」
「んーん。ウチ、お金はわりとある」
「じゃあなんで?」
「・・色々考えた結果だよ」

なんだか急に小宮山が遠くなった気がした。
小宮山の進む先に、オレはいない。

「なあ、今からやればA大受けれるんじゃ・・」
「ムリ! C大だってムボーなのにさ。冗談でしょ」

オレは焦った。あの小宮山がナゼ急に??
一体何が彼女に火をつけたのか。それを知りたくて更に尋ねる。

「んじゃ、学部は?」
「文系」
「それは知ってる。何学部?」
「え、えと・・まだ今から決めるの・・」
「ふーん?」

藤代に直談判までしに行ったわりに、内容はあやふや。
なんかシックリこねえ。