「そうそう小宮山、この映画観たくない?」
ダラダラといじってたスマホをポイと放って、冨永くんがカバンから取り出したのは今話題の恋愛映画の招待券。
「あ、それ知ってる。観たいといえば観たい」
「あっそう。なら小宮山にも1枚あげる。オレ、こーゆうの観ねえからさ、西野にやろうと思って持ってきたのよ」
栞が観たがってたから、って冨永くんが言う。
「いいの?? じゃあ貰おうかなあ。ありがと冨永くん」
手をのばしてチケットを受け取ろうとしたら、いきなり加瀬くんが割り込んできて、私を飛び越えて冨永くんの鼻先に手を突き出した。
「それ、オレにちょうだい!」
「げ。オマエこんなの観んの?」
「観る」
キッパリ言い切って、ひらひらと手をふって催促する加瀬くん。
「チョーダイ!」
「そんなに欲しいならやるけどさあ・・」
困惑した表情の冨永くんがチケットを1枚、加瀬くんの手にホイとのっけた。
「足りない。2枚チョーダイ」
「図々しいな、オマエ! あ。でもこれ、さっき小宮山にあげるって言っちゃったんだよね。な?」
って困り顔の冨永くんが私を見る。
「あーっと・・そういうことなら私はいいよ?」
元々何が何でも観たいわけじゃない。私はいいから加瀬くんへどうぞって辞退した。
ダラダラといじってたスマホをポイと放って、冨永くんがカバンから取り出したのは今話題の恋愛映画の招待券。
「あ、それ知ってる。観たいといえば観たい」
「あっそう。なら小宮山にも1枚あげる。オレ、こーゆうの観ねえからさ、西野にやろうと思って持ってきたのよ」
栞が観たがってたから、って冨永くんが言う。
「いいの?? じゃあ貰おうかなあ。ありがと冨永くん」
手をのばしてチケットを受け取ろうとしたら、いきなり加瀬くんが割り込んできて、私を飛び越えて冨永くんの鼻先に手を突き出した。
「それ、オレにちょうだい!」
「げ。オマエこんなの観んの?」
「観る」
キッパリ言い切って、ひらひらと手をふって催促する加瀬くん。
「チョーダイ!」
「そんなに欲しいならやるけどさあ・・」
困惑した表情の冨永くんがチケットを1枚、加瀬くんの手にホイとのっけた。
「足りない。2枚チョーダイ」
「図々しいな、オマエ! あ。でもこれ、さっき小宮山にあげるって言っちゃったんだよね。な?」
って困り顔の冨永くんが私を見る。
「あーっと・・そういうことなら私はいいよ?」
元々何が何でも観たいわけじゃない。私はいいから加瀬くんへどうぞって辞退した。