薄暗い部屋の中。
加瀬くんの腕の中にすっぽりと収まって、雨音に耳をすます。ここに来た時よりも、雨はさらにひどくなっているようだった。

ゆるゆると私の背中をなでていた加瀬くんが突然口を開いた。

「なあ」
「ん?」

「すっげーキレイじゃん、カラダ。なんで見られるのイヤなの?」
加瀬くんが布団をペラッとめくって胸元をのぞいてくる。
「ーーーはあ。オレ、鼻血でそう」

「うっわ、ヤメテよ!」
慌てて布団を元に戻して潜り込む。
「恥ずかしーんだよ。加瀬くんみたいに堂々と脱げないの!」

加瀬くんの場合は何の躊躇もなかった。ポイポイって服を脱ぎ散らかして、あっけらかんとカラダを晒してた。
恥ずかしがるどころか、むしろ気持ちよさげじゃなかったか?
見せられた私のほうがよっぽどダメージが大きかった気がする。