オレは知ってる。
こういう時は一択じゃダメ。二択だ。
選択肢が多すぎてもダメ。二択がいい。
二択を迫られると、人間はそのどっちかを選択しがちになるからだ。
実はオレ、水曜が雨なのを知っている。
この様子じゃたぶん小宮山は天気予報なんか見ちゃいない。
けれども、盛大にニヤけはじめるオレに何かを感じとった小宮山が慌ててスマホを取り出した。
「す、水曜、雨じゃん・・!」
愕然としてオレを見る。
「知ってたよね!? コレ、絶対知ってたでしょ!?」
「へへへ。知ってた」
「じゃあ加瀬くんは私に何を譲ってくれたってゆーワケ!? 雨って知ってたんなら加瀬くんはなんにも譲ってないじゃん!!」
小宮山がオレのズルに気づいてキレはじめるけど、もう遅い。
「でももう決まったことだし、仕方ないよね。じゃオレ、もう行くな。バイバイ!」
「ちょ、ちょっと・・!!」
オレは小宮山を無視してさっさとロボコン部へ向かった。
雨の水曜日に死ぬほど浮かれながら。
***
こういう時は一択じゃダメ。二択だ。
選択肢が多すぎてもダメ。二択がいい。
二択を迫られると、人間はそのどっちかを選択しがちになるからだ。
実はオレ、水曜が雨なのを知っている。
この様子じゃたぶん小宮山は天気予報なんか見ちゃいない。
けれども、盛大にニヤけはじめるオレに何かを感じとった小宮山が慌ててスマホを取り出した。
「す、水曜、雨じゃん・・!」
愕然としてオレを見る。
「知ってたよね!? コレ、絶対知ってたでしょ!?」
「へへへ。知ってた」
「じゃあ加瀬くんは私に何を譲ってくれたってゆーワケ!? 雨って知ってたんなら加瀬くんはなんにも譲ってないじゃん!!」
小宮山がオレのズルに気づいてキレはじめるけど、もう遅い。
「でももう決まったことだし、仕方ないよね。じゃオレ、もう行くな。バイバイ!」
「ちょ、ちょっと・・!!」
オレは小宮山を無視してさっさとロボコン部へ向かった。
雨の水曜日に死ぬほど浮かれながら。
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