「小宮山あ・・ヤらしてお願い!」

ぎゅうぎゅう抱きしめられて切羽詰まった切ない声を絞り出されると、さすがに胸がうずいた。
初めてを経験した後も私のビビリ癖は改善せず、結局私は2回目からも必死こいて逃げ回っている。なのにやっぱりこうやって求められると嬉しい。自分でも勝手だなって思うけど。

「機会があったらネ」
って言ったら加瀬くんがガバッと顔を上げた。
「それいつだよ!? もう2月になる!! オレこれ以上ガマンできねえよ!」
「仕方ないじゃん、高校生なんだからさあ」

加瀬くんが「はあーあ」って深ーいため息をついて、それからじっとりした目で私を睨んだ。
「なんでオマエはそんななの? 温度差ありすぎじゃねえ? オレとすんのイヤ?」
「そーじゃないけど、すっごく痛かったからアレをまたって思うとちょっと・・」
つい漏らしてしまった本音に加瀬くんが固まった。
で、ションボリと下を向く。
「ゴメン。オレ、あんまり上手にしてやれなかったかも・・」
「んーん。加瀬くんのせいじゃないよ。どうしたって痛いんだよ、きっと」