威圧感をタップリ漂わせて加瀬くんが言う。
「２回目、するよね？」
「ウ、ウン」
「えーっと。んじゃ、明日の朝、オレんちは？」
「ーーーっっハア！？」

明日？　朝？　私まだスッゴク痛いのに！？
ツッコミどころがありすぎて何から文句言っていいかわからない。

「ヤ、ヤだ！　朝とか正気！？　明るいじゃん。絶っっ対にイヤ！！」
「オレは明るいほうがいい。だって小宮山が真っ暗でないとヤだってゆーからオレまだ全っ然見てねえもん！　小宮山のハダカ見たい！」

言い方も最悪。

「見られるのがヤだから真っ暗にしたんでしょ！？」
「オレは見たいの！！」

加瀬くんの不満が爆発する。
そして恐ろしいほどそれぞれの希望が噛み合わない。

結局今回も、ただギャーギャー言いながら並木道の下を歩いただけ。
家に帰ってからやっとイルミネーションのことを思い出した。