ホテルを出ると、外はもう真っ暗。

「じゃあ、いこっか。大通り」
「ウン」
加瀬くんが私の手をとってポケットにつっこんだ。加瀬くんのあったかい指がポケットの中でごそごそと絡まる。
「なあ」
「なに?」

「次、いつにする?」
「ん?」
「2回目」

「ーーーーーーエ?」

まさかとは思うけれど、念のため確認してみる。

「何の2回目?」
「エッチ」

絶句。

「なあ、いつにする?」
さも当たり前って感じで話を進めようとする加瀬くんに、私は目をむいた。
「チョ、チョットまってよ。今したばっかで、もう次のハナシ!?」
「だってオレ、消化不良!」
見るからに不満顔の加瀬くんが、正面からギロリと私を睨んでくる。

いや、まって。
私たち、さっき初めて結ばれたんじゃなかったか。
なのに彼氏がこんなムスッとしてていいもんだろうか。