身体をおこした加瀬くんが私のコートのボタンを外し始める。
加瀬くんが離れてってちょっと距離ができた途端、私はハッと正気を取り戻した。パシッと加瀬くんの手をつかんで訴える。
「まって、お風呂入りたい!」
「いいよ、別に。このままで」
「加瀬くんはよくても私はイヤなの! シャワーの後でないと絶対しない!」
加瀬くんがデッカイため息をつく。
「じゃ、2分ね? 2分しか待たないからな。遅かったらドア開けて勝手に入るからな!」
ご機嫌ナナメの加瀬くんに、やたら短いタイムリミットを言い渡される。
「わかった、2分で出る!」
飛び起きてお風呂に駆け込み「はあ、助かった」って思ったのも束の間。
ーーーウソでしょ、このお風呂カギがない!
2分って言ってた加瀬くんの声が頭にコダマする。
・・2分で、出れる?
必死でシャワーを浴びて慌てて身体を拭いて、脱いだ服をキッチリ着込んで部屋に戻ると、加瀬くんはベッドの端っこに腰かけて私を待っていた。
「加瀬くんはいいの? シャワー使わない?」
「オレ、家ですませてきた」
そうか。最初っからそのつもりだったんだ。
だから着替えてこいって言ったのか。
加瀬くんが離れてってちょっと距離ができた途端、私はハッと正気を取り戻した。パシッと加瀬くんの手をつかんで訴える。
「まって、お風呂入りたい!」
「いいよ、別に。このままで」
「加瀬くんはよくても私はイヤなの! シャワーの後でないと絶対しない!」
加瀬くんがデッカイため息をつく。
「じゃ、2分ね? 2分しか待たないからな。遅かったらドア開けて勝手に入るからな!」
ご機嫌ナナメの加瀬くんに、やたら短いタイムリミットを言い渡される。
「わかった、2分で出る!」
飛び起きてお風呂に駆け込み「はあ、助かった」って思ったのも束の間。
ーーーウソでしょ、このお風呂カギがない!
2分って言ってた加瀬くんの声が頭にコダマする。
・・2分で、出れる?
必死でシャワーを浴びて慌てて身体を拭いて、脱いだ服をキッチリ着込んで部屋に戻ると、加瀬くんはベッドの端っこに腰かけて私を待っていた。
「加瀬くんはいいの? シャワー使わない?」
「オレ、家ですませてきた」
そうか。最初っからそのつもりだったんだ。
だから着替えてこいって言ったのか。