坂川駅の改札を出ると、すでにそこには加瀬くんが待ってくれていた。

「夜までどうする?」
「オレ、行きたいとこあるんだけど、そこ行っていい?」
「いーよ。どこ行くの?」
「商店街のほう」

加瀬くんと並んでアーケードのある古い商店街を歩いた。
やっぱりクリスマスの街は心が躍る。そんなに見るものもなかったけど、ふたりでブラブラするだけで十分楽しい。
加瀬くんは商店街を抜けると、飲食店街のほうへ歩いていく。

「あの公園に行くの?」
「いや、違う。あそこよりまだもーちょっと奥」
「へー」