そしてついにイブがきた。
結局、前倒しの返事は保留のまんま。
全力の加瀬くんをここまでかわせたのは、もしかしたら今回が初めてかもしれない。
そんなふうに迎えたクリスマスイブだったけど、予想に反して加瀬くんが凪いでいる。ムチャクチャ機嫌悪くなんじゃないかって覚悟してたのに、拍子抜けするくらい加瀬くんは穏やかだった。
学校は今日までで、午前中に半日だけ最後の授業があった。
「小宮山、午後どーする? どっか行く?」
「もう一回坂川行きたいな。イルミネーション見たようで見た記憶がない」
「いーよ。んじゃ、一回家帰って着替えてから坂川駅集合な?」
「ええ、そんなのめんどくない? このまま行こうよ」
私が不満の声をあげると、加瀬くんはプイと横を向いてそれを却下した。
「めんどくない! オレ、制服イヤだし。小宮山も着替えてこいよ。イブじゃん、せっかくじゃん? オレ、小宮山の私服見たいナ・・」
「そ、そう?? じゃあそーしよっか」
いきなり私服が必要になってしまった。何着ていこう。
鏡の前で散々悩んで、一番加瀬くんにウケそうなコーデを想像してみるが、全くわからない。
結局、前倒しの返事は保留のまんま。
全力の加瀬くんをここまでかわせたのは、もしかしたら今回が初めてかもしれない。
そんなふうに迎えたクリスマスイブだったけど、予想に反して加瀬くんが凪いでいる。ムチャクチャ機嫌悪くなんじゃないかって覚悟してたのに、拍子抜けするくらい加瀬くんは穏やかだった。
学校は今日までで、午前中に半日だけ最後の授業があった。
「小宮山、午後どーする? どっか行く?」
「もう一回坂川行きたいな。イルミネーション見たようで見た記憶がない」
「いーよ。んじゃ、一回家帰って着替えてから坂川駅集合な?」
「ええ、そんなのめんどくない? このまま行こうよ」
私が不満の声をあげると、加瀬くんはプイと横を向いてそれを却下した。
「めんどくない! オレ、制服イヤだし。小宮山も着替えてこいよ。イブじゃん、せっかくじゃん? オレ、小宮山の私服見たいナ・・」
「そ、そう?? じゃあそーしよっか」
いきなり私服が必要になってしまった。何着ていこう。
鏡の前で散々悩んで、一番加瀬くんにウケそうなコーデを想像してみるが、全くわからない。