窓側のオレの席は陽がさしてぽかぽかと暖かい。だから昼を食うのはいつもオレの席で、4限が終わると翔太と尚が弁当をかかえてここに来る。

小宮山は西野と佐々木と一緒なのだが、ここんとこその女子の輪にちょいちょい冨永が混ざるようになっていた。目当ては西野。
男一人でもちゃっかりあの輪に混ざれるんだから、スゲーなあって思う。

「なあ、律はクリスマスどーすんの? 小宮山とどっか行くの?」

ムチャクチャうまそうな卵焼きを食いながら翔太が聞いてくる。ひじきとほうれん草と鶏のそぼろが入ったブ暑い卵焼きは、よく翔太の弁当に入ってる定番の絶品で、翔太んちの定食屋でも出してる人気惣菜だ。

「まだ決めてねえ」
「メシとか食ったり? イルミネーション見たりとか?」
「小宮山次第だなー。オレはラブホに行きたいけど」
「くっそ、ハラたつな。聞くんじゃなかった」

興味津々で聞いてくるくせに、オレがココロのままに願望を口にするとムカつかれる。