「なあ、クリスマスなにほしい?」
「うーん・・ほしいものかあ」
だけど、急には思いつかない。
「加瀬くんは? なんかほしいものある?」
そう聞いたら肉まんで口がパンパンの加瀬くんにジロリと睨まれた。
それをゴックンと勢いよく飲み下してから加瀬くんが口を開く。
「オレさあ、モノよりアレがいいんだよね。ロボコンの返事」
「ああ。ウン。アレねえ・・」
もう何回目だかもわかんないくらい繰り返されてきたこのやりとり。
この件に関しては、加瀬くんの機嫌がもう相当に悪くなっていた。

「早めに予約してーんだよ。GWだぞ? 部屋なくなるぞ? このまま決まんなかったらラブホにするからな! そん時は鏡張りの部屋とかでも文句ゆーなよ」
「か、鏡張り・・!?」
「おう。あるぞ。中にはそーゆうのも」
「むむむ、むり、絶対」
「だろ?」

そんなのイヤだ。
初めてなのにハードルが高すぎる。