「じゃあ、まずコッチの公園いこーぜ。んで、なんか食お?」

加瀬くんに連れられて、レストランや居酒屋の密集してるエリアに入っていく。しばらく歩くと、いきなり小さな公園が現れた。なんだかここだけがポッカリと異質だ。お酒を飲んだ大人たちがこの公園で酔いをさましたりするのだろうか。

ベンチに座って、上を見上げてみてわかった。加瀬くんが丸いイルミネーションって言ってた意味が。
公園の周囲にぐるりと植えられた木を上手に使って、ドーム状にライトが飾りつけてある。
「わあ。コレ、ライトがついたらスゴそうだね」
「小さいけど結構キレーだぜ?」
加瀬くんによれば、この公園のイルミネーションも坂川じゃ常識らしい。

私たちは熱々の肉まんを食べながら夜を待った。