そしてその数分後。
私は背中側の壁に頭を預けて、ゲッソリと放心していた。
さっきまでここで加瀬くんがしてたコトがぐるぐると頭の中を回り続けて、胸のバクバクがおさまってくれない。
どうしようどうしよう。早く落ち着かないと加瀬くんが戻ってきてしまう。
今、彼は部室にいない。ヤボ用で席を外してるから。

チョット前までションボリと元気がなかったのが嘘のよう。
加瀬くんは、やるって宣言してたコト以外にも、私が絶対に怒りそうなことを更にいくつも付け足して、盛大に私を襲った。
まさにやりたい放題。なんの遠慮もなかった。
おおめにみる、って言ったって限度ってモンがある。

「ゴメンネ、小宮山」

スッキリとした顔でトイレから戻ってきた加瀬くんが、顔をパアアって輝かせて謝ってくる。
「それ、ゴメンの顔じゃない! てか謝るほどならしないでよ・・」
「へへへ。後でどんだけ怒られてもいいからしたかった」