・・けど実は。
穏やかに微笑みながらも、オレはこんなんじゃ全然足りねえなって思ってた。
反省して謙虚になるどころか、危うく失いかけた小宮山に対して、オレは少々・・いや、ものすごーく貪欲になっていた。
「なあ、今日だけはオオメにみて」
「オオメ??」
「前にここで小宮山にダメって言われたこと、今から全部する」
「ええっ!?」
学校だからとか、人が来るかもだとか言って難色を示していた小宮山だったけれども。
「なあ、オネガイ」
いつものごとく鼻先をほっぺに滑らせて甘えてみれば、小宮山の『ダメ』はアホみたいに一瞬で覆った。
相変わらず小宮山はオレに弱い。
んで、はたと気がつく。
「そういや小宮山はすんごい昔からオレに甘かったよね?」
オレがそう言うと、小宮山がギクリと肩を震わせた。
一目惚れとはいえ初っ端から好きな子の手え握っちゃうオレもオレだけど、オレのそのいっちばん最初の粗相の瞬間から小宮山はもうオレに甘かった。すんげえ顔をひきつらせながらも素直に手のひらを明け渡してオレの好きにさせていたのだから。
「あれ、なんで?」
「わかんない。加瀬くんにだけは最初っからそーなの。なんでかな・・」
「・・・」
「・・・」
それを聞いて、オレはさっさと入り口のドアに鍵をかけに行ったのだった。
***
穏やかに微笑みながらも、オレはこんなんじゃ全然足りねえなって思ってた。
反省して謙虚になるどころか、危うく失いかけた小宮山に対して、オレは少々・・いや、ものすごーく貪欲になっていた。
「なあ、今日だけはオオメにみて」
「オオメ??」
「前にここで小宮山にダメって言われたこと、今から全部する」
「ええっ!?」
学校だからとか、人が来るかもだとか言って難色を示していた小宮山だったけれども。
「なあ、オネガイ」
いつものごとく鼻先をほっぺに滑らせて甘えてみれば、小宮山の『ダメ』はアホみたいに一瞬で覆った。
相変わらず小宮山はオレに弱い。
んで、はたと気がつく。
「そういや小宮山はすんごい昔からオレに甘かったよね?」
オレがそう言うと、小宮山がギクリと肩を震わせた。
一目惚れとはいえ初っ端から好きな子の手え握っちゃうオレもオレだけど、オレのそのいっちばん最初の粗相の瞬間から小宮山はもうオレに甘かった。すんげえ顔をひきつらせながらも素直に手のひらを明け渡してオレの好きにさせていたのだから。
「あれ、なんで?」
「わかんない。加瀬くんにだけは最初っからそーなの。なんでかな・・」
「・・・」
「・・・」
それを聞いて、オレはさっさと入り口のドアに鍵をかけに行ったのだった。
***