小宮山の背中にそおっと腕を回すと彼女の纏う空気がふんわり柔らかくなって、それと一緒にオレへの好意がトロリと溢れ出す。

「コレ感じられるだけでじゅうぶんだったのに・・」

失いかけたシアワセを確かめるように、大事に大事に小宮山を抱きしめた。
「ゴメン。許して。オレといて」
オレが顔を上げると、小宮山は嬉しそうに笑ってた。
「もういいよ。全然許すし、一緒にいたい。私もゴメン」

「小宮山あ・・ありがと」

オレはもう泣く寸前だった。バレないように、小宮山をぎゅうぎゅう抱きしめて滲んだ涙をコッソリぬぐう。

ああヨカッタ。
小宮山のことなくさずにすんで。

神サマと仏サマと、あとは誰よりも小宮山に感謝した。