私は本当に本当に加瀬くんが好きだった。
なんでか最後はこんなになっちゃって、その気持ちをあまり信じてはもらえなかったけれど・・

ーーー最後。

そう思った途端、ボロボロと涙がこぼれて止まらなくなった。
コレたぶん、ムチャクチャ泣くやつだーーー

だけど加瀬くんの前で泣くのはイヤだった。
逃げよう。どこか加瀬くんのいないところに。
だけど私がカバンを取って立ち上がるよりも前に、加瀬くんが動いてしまう。

私の涙をぬぐおうと加瀬くんが伸ばしてきた手を、私は力任せにはたきおとしてしまった。


「触らないで」


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