「なあ。さっきハルキにこやって顔くっつけられてたの、気づいてた?」
小宮山の髪に顔をうずめて耳元でささやいてみれば、自分でもビックリするくらい機嫌の悪い声が飛び出した。驚いた小宮山がビクッと肩を震わせてオレを見上げる。
「さっき??・・っていつ?」
要領を得ない小宮山のマヌケな返事に更に怒りを煽られる。
「こうやって腰抱かれてた時だよ。気づけよ、バカ!」

我慢できなかった。
オレの中で燻ってた不満が吹き出してくのを止められない。

「だいたいオマエはハルキにさわられすぎ!」
「ゴ、ゴメン」
「ねえ、ハルキにさわられんのって、どんなカンジ?」
オレの棘のある言葉に小宮山の顔から表情が消えた。
「・・それは、どーゆうイミ?」

「ココは? どうだった?」
いつかハルキにキスされちゃったほうの耳たぶをつまんでギュッと指に力をこめると、悲しそうに顔を歪めた小宮山がオレの手を振り払った。
「別にどうもなかったよ」
「気持ちよくなんなかった?」
猜疑心でイッパイのオレを、愕然とした表情の小宮山がみつめる。
「そんなワケないでしょ、何言ってんの!?」
「オレ知ってる。ここにキスしたらオマエがどーなるか」

言っちゃマズイのはわかってた。
だけどもう止まらない。

「正直にキモチヨカッタって言えよ!」