「おやすみ」
って、一言だけ小宮山からメッセージが届いたのは、随分夜遅くになってからだった。
もうオレが諦めかけてた頃。
「はあ、やっと返信きた。ヨカッタ・・」
クレープ屋の前で小宮山においてけぼりをくらったオレは、ショックでしばらくあの場を動けなかった。クレープを食い終わって慌てて小宮山を追いかけたけど、もう下りの電車は出ちゃった後。
ベッドにゴロンと仰向けにひっくり返って顔の上にスマホをかざすと、小宮山のくれた『おやすみ』の文字が、オレの脳内で勝手に『好き』に変換される。
たぶん、大丈夫。
なんとなくわかる。小宮山はきっと本気で怒ってない。