「オマエ、ホントにオレのこと好き?」
オレの疑わしげな視線に、小宮山が眉を吊り上げた。
「好きに決まってんでしょ!!」
んでもすぐに、吊り上がってた眉がしゅーんて下がる。
「・・スッゴイ好きだから、そーゆうの我慢するんじゃないの?」

それも嬉しい。
そんな健気な小宮山も可愛いらしいんだけど、でも、そーじゃないのだ。

「ちげーよ、ガマンなんかいらねんだよ。その『スッゴイ好き』を味わいてーから妬かれたいんだろが」

「全然わかってねえな!」とか言いつつ、小宮山のイチゴをつまみはじめたオレの態度には、さすがの小宮山も頭にきたらしく、
「勝手に食べないでよ、加瀬くんはツナでしょ!」
ってクレープごとそっぽ向いてしまった。

「人の気も知らないで! あーヤだ、もうキライ」

だってオレは。
イイ子にされるより、欲しがられたい。
オレのこと、もっと欲張って、欲しがってほしかった。