よそのクラスはどーだか知らないけど、2組では廊下側の一番後ろ、ドアのすぐそばの席が当たると『呼び出し係』をやることになっている。良さそうに思えて、実はあまり人気がないのがこの席なのだ。
夏休み明けの席替えで、ここに当たったのが田口だった。
んでその田口の隣が小宮山の新しい席。
早坂がオレに会いに来る度、律儀な田口は教室の反対側、対角の窓際にいるオレによく聞こえるよう、デッカく声を張って教えてくれる。
「おーい、加瀬! 1年の子、また来てるぞー」って。
そうやって呼ばれたオレは小宮山と田口の後ろをゆうゆうと歩いて早坂の待つ廊下へと向かうのだが、今日は田口がオレを引き止めて文句を言いはじめた。
なんで保健委員ばっかこんなに度々やってくるのか、と。
「オマエ、そんなに偉いの?」
「まーね、先輩だから」
メインで動いてんのは早坂だけど、もう一人人の良さそうな1年の男子をパシリのようにコキ使って、オレは楽々と動画撮影の準備を進めていた。
事あるごとにふたりをここへ呼びつけるオレのせいで、田口の仕事はムダに激増している。
夏休み明けの席替えで、ここに当たったのが田口だった。
んでその田口の隣が小宮山の新しい席。
早坂がオレに会いに来る度、律儀な田口は教室の反対側、対角の窓際にいるオレによく聞こえるよう、デッカく声を張って教えてくれる。
「おーい、加瀬! 1年の子、また来てるぞー」って。
そうやって呼ばれたオレは小宮山と田口の後ろをゆうゆうと歩いて早坂の待つ廊下へと向かうのだが、今日は田口がオレを引き止めて文句を言いはじめた。
なんで保健委員ばっかこんなに度々やってくるのか、と。
「オマエ、そんなに偉いの?」
「まーね、先輩だから」
メインで動いてんのは早坂だけど、もう一人人の良さそうな1年の男子をパシリのようにコキ使って、オレは楽々と動画撮影の準備を進めていた。
事あるごとにふたりをここへ呼びつけるオレのせいで、田口の仕事はムダに激増している。