「ふうん。楽しい?」
「いや、別に。すげーメンドクサイ」
「へーー。いっつも仲良さそーだから楽しいのかと思ってた」
「仲良くしてねーし、楽しくもないし・・」

「ふーん。あっそう」

私の顔をじーっと見て、加瀬くんが真顔で聞いてくる。
「ねえ、もしかして妬いてんの?」って。

そう。図星。

じわじわと赤面してく私を見て、加瀬くんが女の子みたいに両手を頬に当てた。
「ヤキモチ!? ねえ、ヤキモチ!?」
「・・ウン、そう。ヤキモチ・・」
加瀬くんが目をまん丸くして驚く。
「ウソだろ!? ホントにヤキモチ!?」
そして、やたら盛り上がる。
「小宮山がヤキモチ!!」

向かい合って座ってる私の両手を机の上でぎゅうっと握って、鼻先がくっつきそうな距離で目の奥をのぞかれる。

「オレのことが心配なの?」
「・・ウン、そう。心配・・」
「うっわあ、そっかあ」

露骨に破顔する加瀬くんをげんなりみつめつつ聞いてみた。
なんでそんなに楽しそうなの、って。

「スゲー気分がイイから!」

***