それはある日の放課後のこと。
いつものごとくダラダラと数プリやりながら教室に残ってた私たち。
そこへふらりと女の子が現れたのだ。

「あれ、先輩。まだ残ってたんですね」
「早坂じゃん。なんか用?」
「生徒会から資料預かってまして。先輩の机に勝手に置いとこうかと思ってココ来たんですけど・・」

くりくりと大きな目をした小柄な女の子が教室のドアを半分だけ開けて顔をのぞかせる。
ああ、またこの子。
彼女は加瀬くんと同じ委員会の1年の女の子だ。
席を立って廊下に出てった加瀬くんは、彼女と少し話をしてから、委員会の資料を受け取って教室に戻ってきた。

「最近よく一緒にいるね? 何話してるの?」
「あーそれはさ・・」

ちょっと前に生徒会で学校紹介動画を新しく製作することが決まったらしい。
毎年4月に新入生に見せるやつ。アレのリニューアルだ。
それで各委員会でもそれぞれ活動内容を紹介する動画を撮影することになったそう。その保健委員会の担当が加瀬くんとあの子なのだ。