「オレの誕生日、5月3日って知ってた?」
「んーん。知らなかった」

じゃあプレゼントにしてよ、って言ったら小宮山が固まった。

「わかんなかったらもっとハッキリ言うけど・・この意味わかる?」
小宮山がカクカク首をふって頷いた。
「・・わかる」

「言っとくけど、ウンて言ったらもう絶対断れないからな? 返事はまだ待つけど、絶対ウンて言って。オレ、プレゼントはこれがいい」
「じゃ、じゃあ、考えとく・・」

あれから。
考えとくって言ったくせに、小宮山はなかなか返事をしてくれない。
それで、事あるごとにオレは小宮山をせっついてる。

「なあ、そろそろ返事!」
「もうチョット待ってよ。まだ考えてるとこだから」

「オマエ、オレが相手じゃ嫌なの!?」
「嫌なわけないでしょ!」
「ならいいじゃん。ウンは?」
「・・決心が、ついたらネ」

「その決心て、いつつくわけ?」
「さあ・・」

ビビリの小宮山はなかなか腹を括れない。
あれからずーっとこの調子だけど、オレは、まあ、待ててる。
不安になったらこんなふうに、小宮山にちゃんと気持ちを確かめてるから。