ところが、オレの不安はアホらしいほど一瞬で解消される。

「いや、えっと。軽蔑とかそういうコトじゃなくてね・・?」
小宮山がオレのシャツをぎゅううっと握りしめて頬を染めた。
「だからさ、それもこれも全部TPOの問題なんであって・・別に嫌ってわけじゃないの」
「・・っえ!? 嫌じゃない!?」
弾かれたように顔をあげて、それから改めて小宮山の様子をマジマジと観察する。視線ガッツリ絡ませてから、念のため、オレはもいちど小宮山に確認をとった。

「オマエ、オレがエロくても嫌じゃねーの!?」
「・・ウン。嫌じゃないよ」
「!!!」
「言ったじゃん。加瀬くんにされて嫌なことなんてない、って」
「!!!」

「だけど、誰か他の人に見られるのはイヤだから、そーならないように厳重に場所を選んでた」
ほっぺをピンクに染めて恥ずかしそうにうつむく小宮山。
「そしたらいつのまにかこんなことになっちゃって・・ホントにゴメンね」
「い、いやいやいや!! そんなことより!!」

嬉しくて舞い上がるオレは、もう小宮山のハナシなんてまともに耳に入らない。
「オレ今『何しても全部許す』って言われた!? そーゆう解釈でいんだよな??」
パァァって顔を綻ばせるオレに小宮山が慌ててた。
「んなわけないでしょ!」
「エ!? 違うの??」
「・・TPОの話したばっかじゃん、何聞いてたの・・」