公園でウッカリ子供にでくわしてから、小宮山はぱったりキスさせてくれなくなった。そーいう雰囲気になるとなんだかんだ言いながらオレから逃げていく。小宮山にかわされてばかりのオレは空振り三振の全敗が続いていた。

欲求不満が積もりに積もって、日常生活にも支障をきたすくらい、オレは今、ダメんなってる。

「はあーーあ・・」

ため息ついてボーっとしてたら、翔太がやって来てオレの隣に座った。
すでに小野の姿はなく、部室の中にはざわざわダラダラとリラックスした雰囲気が漂っていた。

「どしたの、オマエ」
「べつに」
翔太が、スカスカの図案を手に取って眺めはじめる。
「進んでねえなあ」
「だってなーんも浮かばねんだよ。ムリ」

「小宮山となんかあったの? 聞いてやるから言ってみろよ。まあ、聞くだけだけどさ。オレ女の子のことなんか全然わかんないし」

そう言ってもらえてオレは嬉しかった。
アドバイスなんか期待してない。翔太、まだ彼女いたことねえし。
この際、話聞いてもらえるだけでもいいって思って、オレは翔太にすがって口を開いた。

「ーーーあのさ、実はさ・・」