小さな男の子がすぐそばに立って私たちを見上げている。
叫びそうになるのをなんとかガマンして、加瀬くんからそーっと距離をとった。
青いちっちゃなスニーカーを履いたその男の子は、だんっ、て勢いよく足を踏みしめて、加瀬くんの前に仁王立ちした。
そして真っ直ぐ加瀬くんを指さして叫ぶのだ。
「オマエ、わるいやつ!」
「エ??」
「おねーちゃんのこと、いじめてただろ!」
ギッと睨まれて、加瀬くんがビクビクしながら男の子に言う。
「い、いじめてないよ?」
「うそだ! おねえちゃん、いやっていってたぞ!」
「え、えーっと・・」
しどろもどろの加瀬くんが子供の相手をする様子は・・・おもしろすぎた。
だけど男の子は真剣そのもの。こーいう年頃の子ってのは常に全力で本気だから絶対に笑っちゃいけない。
微笑ましさからついつい笑いがこぼれそうになるのをどーにか我慢しつつ見物を決め込んでいると、加瀬くんが必死で視線をよこしてくる。
『やっぱりお困りなんですネ?』
『早く助けろ!』
みたいなやりとりを無言でかわしてから、私は男の子の前にそおっとしゃがんで彼と目をあわせた。
「あのね、おねえちゃんだいじょうぶだよ?」
「ほんとに?」
「ほんと。このおにいちゃんイジワルなんてしないよ。スッゴクやさしいんだから」
「ええ〜、見えない!!」
疑わしそうに加瀬くんを見る男の子は不審感丸出し。
しかし、彼の真っ直ぐで子供らしい正義感はとても尊く、そして可愛らしかった。
「見えなくてもホントだよ。おねえちゃん、このおにいちゃん大好き」
「・・そーなの? ホントに?」
加瀬くんへの疑惑がまあまあ薄らいだところで、男の子を連れてキャンプ場を出た私たち。
公園へ戻ると、お母さんはすぐにみつかった。お母さん、泣いてたから。
笑顔でバイバイした後で、男の子の話し声が後ろから聞こえてきた。
「あのおにいちゃんとおねえちゃん、ちゅーしてたよ」って。
叫びそうになるのをなんとかガマンして、加瀬くんからそーっと距離をとった。
青いちっちゃなスニーカーを履いたその男の子は、だんっ、て勢いよく足を踏みしめて、加瀬くんの前に仁王立ちした。
そして真っ直ぐ加瀬くんを指さして叫ぶのだ。
「オマエ、わるいやつ!」
「エ??」
「おねーちゃんのこと、いじめてただろ!」
ギッと睨まれて、加瀬くんがビクビクしながら男の子に言う。
「い、いじめてないよ?」
「うそだ! おねえちゃん、いやっていってたぞ!」
「え、えーっと・・」
しどろもどろの加瀬くんが子供の相手をする様子は・・・おもしろすぎた。
だけど男の子は真剣そのもの。こーいう年頃の子ってのは常に全力で本気だから絶対に笑っちゃいけない。
微笑ましさからついつい笑いがこぼれそうになるのをどーにか我慢しつつ見物を決め込んでいると、加瀬くんが必死で視線をよこしてくる。
『やっぱりお困りなんですネ?』
『早く助けろ!』
みたいなやりとりを無言でかわしてから、私は男の子の前にそおっとしゃがんで彼と目をあわせた。
「あのね、おねえちゃんだいじょうぶだよ?」
「ほんとに?」
「ほんと。このおにいちゃんイジワルなんてしないよ。スッゴクやさしいんだから」
「ええ〜、見えない!!」
疑わしそうに加瀬くんを見る男の子は不審感丸出し。
しかし、彼の真っ直ぐで子供らしい正義感はとても尊く、そして可愛らしかった。
「見えなくてもホントだよ。おねえちゃん、このおにいちゃん大好き」
「・・そーなの? ホントに?」
加瀬くんへの疑惑がまあまあ薄らいだところで、男の子を連れてキャンプ場を出た私たち。
公園へ戻ると、お母さんはすぐにみつかった。お母さん、泣いてたから。
笑顔でバイバイした後で、男の子の話し声が後ろから聞こえてきた。
「あのおにいちゃんとおねえちゃん、ちゅーしてたよ」って。