だけど私は加瀬くんほど脳天気にはしていられなかった。

「まってまって、ココ別の意味でヒトケのありそうな場所じゃん! 
ヤだ。コワイ。こんなとこでとか絶対にムリ!」
「大丈夫。人が来たらわかるから」
「ウソばっかり!」

ビビリまくる私の異議を気にもとめない加瀬くんは、すでに私の話なんか聞いちゃいない。勝手にどんどんキスしはじめちゃう。

「ちょっと待ってよ、まだ話の途中・・!」
「小宮山がイチバンうるさいよ? 静かにしてれば?」
って、あっという間に口を塞がれて、それと同時に加瀬くんの手のひらがじわじわと自己主張を開始した。

そこから後は流されて何も言えなくなった。しばらくは。
だけど、すんごい勢いでエスカレートしてくアレコレに、ただ流されてるわけにもいかなくなり、私は必死でストップをかけたのだ。

「か、加瀬くん、もうダメ!」
「ダイジョーブだって」
「ヤだってば、人がくる!」
「こねーよ、誰も」
って加瀬くんが笑ったところで・・

「ねえ」

って声をかけられて背筋が凍りついた。