渋る私の手をとって、加瀬くんは公園の奥へ奥へと歩いてく。

知らなかったけれど、この公園は案外奥が深かった。なぜか公園の裏がキャンプ場になっていたからだ。
だけど、まともに稼働してんだかどーだか、すっかりさびれきってる。
海からも遠いし、かといって山が立派なワケでもない。
一体なんでこんなとこにキャンプ場が??
閑散とした場内を手をひかれて歩きながら、次々と疑問が浮かんでは消えた。

キャンプ場周辺には人目につきづらそうな薄暗くてイカガワシイ場所がたくさんあって、加瀬くんはその中のひとつを適当に選んで嬉しそうに私を座らせた。

「な? あっただろ? 来てみたらあるモンだろ?」
得意満面だ。
で、さっさと抱きしめられる。
「うあー、小宮山に触んの久しぶり・・!」