冨永がチラリと小宮山に視線を投げた。
「小宮山って、結構シッカリ加瀬にホレてんだなー。なんでだろ」
「さあね。わかんねえ」
そんなのオレにだってわからないけれど、とにかく小宮山はオレといてくれる。
オレのこと、好きだって言ってくれるのだ。他の誰よりも。

なんとなく小宮山の横顔を眺めてたら、オレに気づいた小宮山がこっちへ戻ってきた。

んで、思い出す。
そうだオレ、今日は小宮山に話があったんだ。
席についた彼女にさっそくそれを切り出すと、小宮山はパチパチと目をしばたかせてオレが今くちにしたばかりの言葉を繰り返した。

「ロボコン??」
「そう、ロボコン!」

隣の県に新しくできる施設のオープニングセレモニーの目玉として、来年のGWにロボットコンテストが開催される。
2年の男子何人かで参加しようって話があって、オレはコレに混ざりたい。

「やってもいい?」
「いいよ、やりなよ。てか、なんで私に聞くの」
「だって、今までみたいに一緒に帰れなくなるし」