オレがフラれたに違いないって思ってた冨永は、今日は特別気合入れて登校してきたんだって言う。オレのこと慰めてやろうって思ってた、って。
「余計なお世話だっつーの。オレ、フられてねえし」
「へへへ。ゴメン。ハルキにとられたって思ってた」
だけど正直に言えば、オレだってずーっと不安だった。
小宮山のこと、いつかハルキにもってかれんじゃねえかって。

「危なかったっちゃ危なかったんだ。アイツ、小宮山と一緒にバイトしてたし」
「っっえーー！！」

「んでやっぱ、小宮山のこと盗る気満々でさ」
「ウンウン」

「最後はチョットだけ手も出してきやがって」
「マジか。やるなー」

「でも、諦めさせた！」
って得意げに胸をはったら、案外素直に感心される。
「スゴイじゃん、オマエ。あのイケメンに勝ったの！？」
「まーね！」