「オマエ、新学期早々元気だね。遊び行くなら小宮山にも聞いてみるけど?」
「こっ、小宮山ああ!? なんで!? ・・なあ、オマエらまだつきあってんの?」
「どーゆうイミだよ」

話が噛み合わねえなと思ったら、冨永はオレらが別れたと思ってた。
その思い込みの原因はどうやら花火大会の日にあるようで・・

「だって港来てた? おまえら来てなかっただろ??」
「行ってねーよ。だって松原にいたもんね」

「あんなトコから花火見えんの??」
「いーや。全然」

松の隙間から見た花火は本っ当にいただけなかった。マジメに花火見るつもりなら、やっぱり港周辺でないとダメ。
だけどオレは大満足だった。あんなに心躍った花火は生まれて初めて。

だって。刺激的な夜だった。

初めてちゃんとキスした。
未知との遭遇もあった。
でもって、小宮山がエロかった。とんでもなく。

強烈なフラッシュバックに襲われてムラムラと搔き乱される。
「はあ。たまんない・・」
「ヤメロ。オレの前で色々思い出すな!!」
オレの異変にハッキリと気がついた冨永が心底嫌そうに顔をしかめる。