夏休み明け。
久しぶりの学校はやっぱりダルい。
ボーっと席についてたら、登校してきた冨永がカバンも置かずに真っ直ぐオレんとこにやってきた。
わざわざオレの隣の手嶋の椅子をずずずと引っ張ってきて、やたら近くにしっとり座る。

「よお、久しぶり」
妙に静か。あの冨永が。

「オハヨ。元気ねえなあ。大丈夫？」
何か悩みでもあんのかと思ってそう声をかけたら、逆にまじまじと顔をのぞきこまれてしまう。
「そりゃこっちのセリフだろ。オマエこそ大丈夫？」
「はあ？？」

そしてオレの肩にガッチリと腕をまわしてきた冨永は、
「ムリすんなって。今日、どっか遊び行く？　つきあってやるよ」
とか言い出した。
スゲー暖かい目をして。