完全に首に狙いを定めてしまった加瀬くんが、私の反応を確かめながら試すように、ひとつ、ふたつとキスをする。

「加瀬くん、ホントにソレやめて!」
「絶対にイヤ。だってオレ今、未知との遭遇中」

実は加瀬くん、キスに関しては凄ーく禁欲的だった。
あんまりイロイロすると我慢できなくなるからって言って、ほっぺとかおでことか瞼とか、そーゆうトコにしかキスしなかった。数だけはイッパイしてたけれども。

それがどうだ。解禁になった途端ーーー

「ここ、もっとしたらどーなるんだろうね??」
わくわくと首に手を這わされて私は縮み上がった。
「イ、イヤだ、絶っ対に!!」
さっきわかってしまったのだ。アレは危険なヤツだった。
思い出しただけでも震えがくる。
ほっぺかおでこにしてって訴えてみたけれど、加瀬くんは私を無視して再び首筋へとアタマを沈めた。ちょっと調べるだけだから、って言って。

だけど加瀬くんがちょっとって言ってちょっとですんだことなんてない。
加瀬くんはやんわりシッカリ私をおさえこんで、私の首筋に山ほどキスをくれた。
私の息があがっても。
マトモに座っていられなくなっても。
それでもなお、加瀬くんの『調査』はひたすら繰り返された。
春樹くんのことシツコイなんて言えない。それはもう、おっそろしく執拗なキスだったのである。

やっと解放された頃には、私はもうヘロヘロ。

「ゴメン、やりすぎた」
「バカ!! やめてって言ったのに!」