それからオレは、これでもかってほど小宮山の左耳にばっかキスした。悔しくて。
あっという間に大人しくなった小宮山の頭は、たぶん今マッシロ。

「好きだよ、小宮山」

耳のヨワイ小宮山が、逃げるようにして目一杯そらした首筋に唇を落としたのは、オレからすれば自然な流れだった。
途端、小宮山の口から吐息とも悲鳴ともつかない、強烈に甘ったるい声がモレ出した。

「うわスゴ。耳どころじゃねーな」
「だ、だって・・!!」
もう一度同じように首筋に唇を這わせると、今度はぐっと声を飲みこまれてしまう。
「なんでガマンすんだよ」
「するに決まってんでしょ! ここ外だよ!?」
「・・とか言われたら、余計聞きたくなるよネ? へへへ」
「!!!」
青ざめてるに違いない小宮山をオレはご機嫌で抱えなおしたのだった。

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