予想はしてたけど、しばらくして上がりはじめた花火は本当にひどかった。

「半分切れてる!」
「ココ、角度が悪いからな」
「ああもう、すんごい松が邪魔!」
「・・見えただけよかったじゃん?」

ガッカリする小宮山を抱き寄せてりんご飴を手から抜く。
「また来年来りゃいいじゃん。オレ、花火よりコッチがいい・・」
ほっぺにちゅ、ってキスすると小宮山はピタリと静かになった。

そういえば、やっと好きって言ってきたハルキを、小宮山はマヌケにもフり損ねたらしい。
だけどオレにもなんとなくわかる。今度こそハルキの件はおしまいだ。
ってことはーーー