春樹くんと一緒に裏口を出ると、外には加瀬くんが待ってくれていた。
ところが、そっちへ歩き出そうとした私の目の前が突然、青一色に染まる。
「な、なに!?」
その青は春樹くんのひらいたカサだった。
何か考えるヒマも、思うヒマもなく、間髪入れずに耳たぶに、ちゅ、って柔らかな感触が落ちてきて、「加瀬くんにお返し」って春樹くんが笑う。
「オレ、ホントにホントにすみれちゃんが好きだったよ」
優しくて、心のこもった声だった。
「色々ありがとう。バイバイ、すみれちゃん」
それは真っ青なカサの内側での出来事。
春樹くんにお別れの言葉を告げられた直後、青一色だった世界が一気に眩しい光を取り戻した。
「なにしてんだよ!」
加瀬くんが勢いよくカサを払いのけて春樹くんを睨む。
「別に何にも。カサがひらいちゃっただけ。じゃあね」
って言って春樹くんはスタスタと歩いていってしまう。
ところが、そっちへ歩き出そうとした私の目の前が突然、青一色に染まる。
「な、なに!?」
その青は春樹くんのひらいたカサだった。
何か考えるヒマも、思うヒマもなく、間髪入れずに耳たぶに、ちゅ、って柔らかな感触が落ちてきて、「加瀬くんにお返し」って春樹くんが笑う。
「オレ、ホントにホントにすみれちゃんが好きだったよ」
優しくて、心のこもった声だった。
「色々ありがとう。バイバイ、すみれちゃん」
それは真っ青なカサの内側での出来事。
春樹くんにお別れの言葉を告げられた直後、青一色だった世界が一気に眩しい光を取り戻した。
「なにしてんだよ!」
加瀬くんが勢いよくカサを払いのけて春樹くんを睨む。
「別に何にも。カサがひらいちゃっただけ。じゃあね」
って言って春樹くんはスタスタと歩いていってしまう。