私へ視線を戻した春樹くんがギョッとする。
「どしたの、すみれちゃん。顔真っ赤だけど・・!?」
「ななな、なんでもナイ!」

加瀬くんは、黙って私たちの様子を伺っていた。
頬杖ついて口元を隠してはいるけれど、目が笑ってるのは丸わかりだ。

「え、えと・・ゴメン、なに話してたんだっけ・・??」
「・・イヤ、いい。なんでもない」

ウッスラ事態を把握したらしい春樹くんが青筋立てて加瀬くんを睨むのだけれども、加瀬くんはどこ吹く風。
「あっそう。じゃ、もー終わりにする? いいよね、終わっても? ーーああっと、それからゴーダツの件もこれでおしまい。アレも期限切れだよな?」
ウキウキと嬉しそうに念を押す加瀬くんに、春樹くんがため息をついた。
「わかったよ。もう全部オシマイ。ぜーんぶ加瀬くんの勝ち」
「フン。あったりまえだわ」