それからしばらく、私たちはぽつぽつといろんなことを話した。
けして仲良くとはいかなかったけれど、加瀬くんと春樹くんもまあまあ話してる。
そんなこんなでしっかりゴハンも食べ終えて。

「私が話せるのはこれだけ。役に立つかどうかわかんないけど」

私なりに頑張って話したつもり。
だけどこれはあくまで私個人の考えであって、それが丸々ぴったり春樹くんにあてはまるわけじゃない。
春樹くんは、春樹くんのやり方で、手探りしながら前に進むしかない。

きっとこれからがたいへんだ。
時間だってイッパイかかる。
途中でつまずいたり、遠回りしたりもするはずだ。

だけど春樹くんなら絶対にいつか立ち直れる。その時はきっと、春樹くんの目指すすんごいステキな『優しい男』になれてんじゃないかなあって思うのだ。

「オレ、変われるかなあ・・」
「やれるやれる。オマエ、すげーシツコイから」