春樹くんは、改札へと上がる長いエスカレーターの下に立っていた。
加瀬くんがズカズカ歩いてって、春樹くんに声をかける。
「しょーがねえから一回だけ小宮山貸してやるよ」って。
「ただしオレも一緒だけど。それでもいい?」
「うん、いいよ」
私と春樹くんのお昼を買ってから、私たちは駅3階にある展望デッキに向かった。ここからは坂川の海が一望できる。
デッキの混み具合はまあまあ。設置してあるテーブルのひとつを確保して、加瀬くんがドカッと座った。
加瀬くん、春樹くん、私が、まあるく輪になって座る。こんな機会でもなきゃまず揃うことのないメンツだ。
気まずい組み合わせに、場がしーんと静まった。
「と、とりあえずゴハン食べよーよ。おなかすいた」
間が持たなくて、わざとらしくおにぎりの包みを破る私に、加瀬くんがため息をついた。
おまえは呑気だね、って。
んなワケない。まったく、誤解もいいとこである。
加瀬くんがズカズカ歩いてって、春樹くんに声をかける。
「しょーがねえから一回だけ小宮山貸してやるよ」って。
「ただしオレも一緒だけど。それでもいい?」
「うん、いいよ」
私と春樹くんのお昼を買ってから、私たちは駅3階にある展望デッキに向かった。ここからは坂川の海が一望できる。
デッキの混み具合はまあまあ。設置してあるテーブルのひとつを確保して、加瀬くんがドカッと座った。
加瀬くん、春樹くん、私が、まあるく輪になって座る。こんな機会でもなきゃまず揃うことのないメンツだ。
気まずい組み合わせに、場がしーんと静まった。
「と、とりあえずゴハン食べよーよ。おなかすいた」
間が持たなくて、わざとらしくおにぎりの包みを破る私に、加瀬くんがため息をついた。
おまえは呑気だね、って。
んなワケない。まったく、誤解もいいとこである。