なんとなく覚悟はしてた。
小宮山がハルキの様子にずーっとヤキモキしてるの知ってたから。

小宮山におされてついウンて言っちゃったけど、オレはすんげえ嫌だった。
だってハルキに小宮山を貸し出したとして、無事に返してもらえる保証なんてどこにもないのだ。

「じゃあオレとも約束してよ。絶対オレんとこ戻ってきて。ハルキにゴーダツされねえって約束してよ」
泣きそうなオレに小宮山がケロッとして言う。
「へへへ。それは大丈夫。加瀬くんも一緒に話せばいんだよ。3人で」
って。

「オ、オレも一緒・・?」
「そう。一緒に」

「小宮山・・アタマいーね?」
「まあね!」

つないだ手をきゅっと握りしめた小宮山が、スゲー得意そうな顔してオレを見る。
ああクソ、もう仕方ねえ。

「なあ、下りって何分? アイツもう帰った?」
小宮山がスマホを取り出して時間を確認する。
「んーん。まだだと思う」

「なら今からアイツ捕まえて話そうぜ。オマエ、都合は? 時間ある?」
「私は大丈夫。ありがと、加瀬くん。じゃあ春樹くん探そうか!」