様子のおかしい小宮山を連れて松原へ向かった。
海岸線に沿って延々と松が植えられてる松原は、モールからわりと近い。
少し向こうは海水浴場でメチャメチャ人が多いけど、松原はまあまあ静か。
松の木陰で、小宮山は今から遅い昼メシを食う。

「なあ、どうしたんだよ?」

ペットボトルのフタをひねりながら話をふると、おにぎりの包装を開けようとしてた小宮山の顔がすんげえ勢いで赤く染まった。
ビックリして小宮山の顔をのぞく。
「オマエ、大丈夫?」
「全っ然大丈夫じゃない」
おにぎりをポイって放った小宮山は、ぎゅうっと膝を抱いて体育座りをするとそこへガックリと顔を伏せた。

「春樹くんと3人で話した日あったでしょ? 加瀬くんの理科の補講が自習になった日」
「ウン」
「春樹くんさ、加瀬くんに部室追い出されちゃった後もずっとドアの外にいたんだって」

「・・エ??」

慌てて記憶の糸をたぐってみる。
あの後ってたしか・・小宮山とチョット話して、んでそれから・・

「アイツ・・どのあたりまで外にいたの? えーっと、オレらがイロイロしてたのも、聞かれちゃった・・?」
小宮山がこっくり頷く。
「クッソ悪趣味!! なんなのアイツ!?」