大通りへ出てトボトボと歩いていると、後ろから「小宮山!」って名前を呼ばれる。
よく知ってる大好きな声で。
振り向いたらそこにはやっぱり加瀬くんがいた。

「出るの裏口だと思ったんだけどさ! わかんなかった。裏に回る道」
走ってきた加瀬くんが息を弾ませる。
「待っててくれてたの?」

顔見れて嬉しかった。
スッゴイ会いたかった。
じーんと胸が熱くなる。

「アレ? なんかオマエ・・どうかした? 仕事しくじった?」
隣に並ぶ加瀬くんの手を、私はぎゅうっとにぎりしめていた。
「加瀬くん、あのさ・・」
「?? どしたの、小宮山」

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