本気で不機嫌なオレにマナがつまんなそうに口を尖らせた。

「そんなに怒んないでよ、面白くなくなるでしょ」
「ひとっつも面白くなんかねえわ。この状況はなに!?」

一体どーしてこんなことになっているのか。
マナによればこうだ。

「あのねえ、バイトが足りないからヒロちゃんに友達2人誘ってくれって頼まれてたの。で、まずはすみれを誘って、あともう1人どうしよっかなって思ってたら、ハルくんがやるって言い出してさ」
「オマエ、小宮山がここでバイトするってハルキに教えたの!?」
「んーん。教えてはないんだけどお・・」
カウンターのハルキにちょこっと視線を送ってから、オレの顔を眺めてニヤニヤとイヤ~な笑いを漏らし始めるマナ。
「講習の時に私とすみれが話してるの、ハルくん後ろでぜーんぶ聞いてたみたい」

やっぱりね。
こんなたまたまあるワケがない。
フツフツと腹が立ってきたオレは、ついマナを責めた。
「オマエ、なんでオレを誘わねえの!? あと一人足りねえんだったらオレでよかっただろ?」
「私がアンタのこと誘うわけないでしょ。アンタと一緒にバイトなんて死んでもイヤ」