不安でたまらないオレは、悪いと思いつつも小宮山を見えない鎖でぐるぐる巻きにする。
小宮山をぎゅうぎゅう抱きしめて、彼女を縛る言葉を耳に流し込んだ。

ハルキと会うな。
しゃべるな。
絶対オレから離れんな、って。

「なあ、頼むからハルキのことなんかほっといてよ。オレ、アイツすんげええ、嫌い」
彼氏の特権振りかざして小宮山の自由を奪う。
「あいつと話したいって二度と言わないで」
「わかった。もう言わない」

一応、そんなふうに話は決着したんだけど・・

「・・・」
「・・・」

オレらの間に漂う重っ苦しい空気をどうしたらいいのかわからない。

オレも小宮山も、罪悪感でイッパイだった。
オレは小宮山に。
たぶん小宮山はハルキに。