今だって、オレの目の前で上の空になってる小宮山は彼氏のオレを差し置いて、たぶんハルキのことしか考えてない。
んで、やっぱりーーー

「あのさ、春樹くんと1回だけ、話しちゃダメかな?」

ホラきた。やっぱりね。
オレの様子を窺いながら小宮山が恐る恐るお伺いを立ててくる。
「役にたつかどうかはわかんないけど、参考までに話をーーー「ダメ!!!」

絶対言うと思った。こーゆうこと。
だけど小宮山がこんなふうにオレに許可を求めてくるのなら、オレは絶対にそれを許したりしない。

「だ、だけどもしかしたら何かのキッカケになって、春樹くんウマイこと立ち直れるかもしれーーー「嫌だ!! 有り得ねえ。オマエ貸し出すとか吐き気する!」

悲しそうに眉を下げた小宮山がオレを見る。
「でもさ、今がチャンスなんだよ・・」

ハルキが本気だから、って小宮山が言うのだ。
本人がホントの本気の時しか人って変われないもんだ、って。
だからハルキにとっては今がスゲー重大な人生の分岐点なんだ、って。

「それでも、ダメ!! オマエ昨日オレになんつった? アイツの件はもう終わりって言ったよね?」
「それはそうだけど、でもーーー」
狭量だと思われようが、横暴だと言われようが構わない。
「オレは嫌。絶っっ対に!!」