小宮山の気が変わらないうちにと思って、彼女を連れてさっさと列に並んだ。

「もうイヤってゆーなよ? 絶対入るからな?」
「わかったってば」

口を尖らせながらもオレのそばに立ってきちんと並びはじめる小宮山につい頬が緩む。
オレのことなんか気にもとめないくせに、なぜだか小宮山はオレに弱くて大概のことなら押せばいけちゃう。

「へへへ」
「なに?」
「いや、なんでもない」

結構な時間並んで、いよいよ次がオレらって時になって小宮山がまたビビり出した。
「やっぱりこーゆうの苦手」って不安そうにオレを見る。

そうそう、実は内心こういうのも期待してて・・
「んじゃ、オレが手え握っててやろーか?」
ドキドキしながら申し出てみるけど、
「いい。大丈夫」
あっさり断られる。