「オマエら何してんの?」

オレに気づいて、弾かれたように二人がハッと顔を上げる。

理科の講習はいきなり自習になった。担当の田辺先生が体調不良で休んだからだ。
んでオレはごっそり配られたプリントを抱えて小宮山が待ってる部室に向かった。自習だからどこでやったってわかんない。せっかくだからここでやろうって。

だけど。なにこれ。

ズカズカ歩いてって、まずは小宮山の顔へ伸ばされたまんまになってるハルキの手をばしーんと叩き落とす。
「ハルキくん、この手は何!? んでまた・・なんでオマエがここにいんだよ!」
ワナワナと怒りに震えるオレを、ハルキが下からキッと見据えた。
「誤解すんなよ? オレが勝手にココに入ったの! すみれちゃんはなんも悪くないからな!」
ゴシゴシと慌てて涙を拭う小宮山を大事そうに背中に庇うハルキに腹が立ちすぎて、ホントなら口がよくまわるハズのオレがひとっこともしゃべれない。

オレはテーブルをぐるりとまわりこみ、小宮山のすぐそばにドカッと腰をおろした。
今度こそ、きっちりハナシをつけてやる。
なにがなんでもコイツを追い払う。絶対に。

オレは正面からヤツに向かい合った。